カウルを加工してみよう!
小径・中径タイヤ用のボディを、大径も使うことができるように加工する方法について、解説します。 遊びの幅が、広がりますよ☆
2017/6/5 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.4」に収録されています。
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目次
カウルを加工すれば、遊びの幅が広がる!
カウル(カウリング)はボディの一部で、空気抵抗を減らすための部分です。 ミニ四駆では、車輪をおおっている所(下の写真、赤丸部分)です。
ミニ四駆のボディには、小径・中径タイヤ用のものがあります。 フルカウルミニ四駆や、実車に近いミニ四駆のボディは、一部を除いて大径を使うことができません。 たとえば次のミニ四駆では、車輪を大径にすると、ボディ(カウルの部分)に当たってしまいます。
小径・中径タイヤ用のボディを、大径タイヤにも使うことができれば、遊びの幅が広がりますよね?
「大径タイヤにしたいのに、ボディが当たって付けられない!」
今回は、そんな悩みを解消できる、ボディ(カウル部分)の加工方法について、解説します。
カウル加工の事前準備&予備知識
カウルの加工で困るのは、丸い形の部分でしょう。 まっすぐな形なら、平行にカットすればOKですが、丸い形だと、そうはいきません。 でも、どれぐらい削れば良いかは、簡単な計算で知ることができます。
ミニ四駆の車輪は、大径が31mm、中径が26mm、小径が24mmです。 大径と中径の差は 5mm、大径と小径の差は 7mmあります。
カウルの丸い部分は、車輪の大きさに合わせた形になっています。 ですので、
中径タイヤ用のボディは 2.5mm( 31 – 26 = 5 5 ÷ 2 = 2.5 )、
小径タイヤ用のボディは 3.5mm( 31 – 24 = 7 7 ÷ 2 = 3.5 )、
カウルの内側を削れば、大径を使うことができます(一応の目安、実際はボディの形に合わせて調整)。
カウルの加工では、次の工具を使います。
①はポリカーボネート製ボディの加工で、②③④はプラスチック製ボディの加工に、それぞれ使います。
カウルの加工
それでは、次の2つのボディを、実際に加工してみましょう。 どちらも、ミニ四駆PRO(MS・MAシャーシ)用のボディです。
このように、どちらも大径には対応していません。 車輪が大径のミニ四駆に乗せた場合、車輪にカウルが当たってしまいます。
加工の手順を、次に示します。
【実演】ポリカーボネート製ボディの加工
トライダガーXXのボディは中径タイヤ用なので、大径に対応させるには、2.5mm ぐらい削る必要があります。 そこで、目印として幅 3mmのテープを自作して、それをカウルに貼って加工します。
幅 3mmのテープを作るため、画用紙のはしっこに、幅 6mmのマスキングテープ(「タミヤ マスキングテープ 6mm詰め替え用」)を、2枚重ねて貼ります。 写真では、下のテープが幅 10mmですが、1枚目は台座なので、どちらでもOKです。
2枚目のマスキングテープを、幅 3mmに分けます。 定規で測って、両端にカッターで目印をつけましょう。 その後、両端の目印に定規を当てて、カッターで切れ目を入れます(この段階で、テープが切れなくても大丈夫です)。
2枚目のマスキングテープをはがして、切れ目に沿って、ハサミでカットします。 これで、幅 3mmのテープになります。
カウルに沿って、テープを貼ります。 そして、テープの外側に沿って、ハサミで切り取ります。 普通のハサミでもカットできますが、「曲線バサミ」を使った方が、きれいな丸みを作ることができます。 曲線バサミは、ポリカーボネート製ボディを切り出す時も活躍するので、1本持っておきましょう。
4つのカウルを切り終えたら、シャーシに乗せて、確認してみましょう。 4カ所すべて、車輪に当たらなければOKです。
今回の加工では、後輪がぎりぎり当たらない状態です。 コースで走らせる場合は、後輪のカウルを、もう少しカットした方が良いでしょう。 ポリカーボネート製ボディは、ふにゃふにゃ柔らかいので、ふとしたはずみで車輪に当たる恐れがあるからです。
以上が、ポリカーボネート製ボディのカウル加工です。
ちなみに、ポリカーボネート製ボディは、もとは無色透明です。 今回の説明で使ったボディは、あらかじめ塗装したものなんですね。 ポリカーボネート製ボディの塗装方法については、以前の記事「ミニ四駆の塗装(とそう)に挑戦してみよう!」を参照してください。
なお、幅 3mmのマスキングテープは、タミヤから販売されています。 自作が手間に感じたら、こちらを使うと良いでしょう。
【実演】プラスチック製ボディの加工
ロデオソニックのボディは小径タイヤ用なので、大径に対応させるには、3.5mm ぐらい削る必要があります。 そこで、目印として幅 4mmのテープを自作して、それをカウルに貼って加工します(テープは前述の方法で自作)。
カウルを加工する場合、他の部分が、シャーシに当たらない状態にしておきましょう。 そうしないと、カウルを車輪に合わせて加工することが、できないからです。 今回は、前のFRPプレートにボディの先が当たってセットできないため、その部分を削りました。
加工をする前に、ボディを乗せてみました。 よく見ると、前のカウルは前輪と当たらない部分があります。 ロデオソニックは流線型の形なので、カウルを均一に削る必要は、ないみたいです。 プラスチック製ボディの加工は、ポリカーボネート製よりも時間がかかるので、こうして削る範囲を見定めましょう。
ボディを乗せたまま、車輪を目印にして、加工する範囲に沿って、マスキングテープを貼ります。 まずは、前輪のカウルから加工します(後輪のカウルの加工は後回し)。
テープに沿って、カッターで切れ目を入れます。 一気に切れ目を入れようとすると、カッターがすべって、他の場所にキズがついたり、手を怪我したりする恐れがあります。 カッターを軽く押し当てながら、往復させるのがポイントです。 鉛筆で書いた字を消しゴムで消すように、少しずつ切れ目を入れてゆきましょう。
テープを外して、切れ目に沿って、ドリル(大きさは 1mm)で穴をあけます。 境界線を穴でつなげるイメージで、小刻みにあけてゆきましょう。 そして穴に沿って、ニッパーでカットします。 穴同士をつなげるイメージで、少しずつ取り除きます。 最後にヤスリで削って、仕上げです。
シャーシに乗せて確認。 左右どちらも、車輪に当たらなければOKです。
次は後輪のカウルです。 こちらは 2mmぐらい削れば、大丈夫そうです。
同じ方法で、後輪のカウルも加工します。
再びシャーシに乗せて確認。 車輪をぐりぐり回してみましょう。 ボディを乗せていない時と、変わらない感じで回れば、カウルが当たっていない証拠です。 最後に400番の紙ヤスリ(「フィニッシングペーパーP400番(3枚セット)」)で、加工した部分を磨いておけば、バッチリOKですよ☆
以上が、プラスチック製ボディのカウル加工です。
ボディを自在に加工して、自分だけのミニ四駆を作り出そう!
カウルを加工する方法は、シンプルです。 道具さえあれば、すぐにできるでしょう。
今回の方法と、以前の記事「ARシャーシの改造に挑戦してみたよ!(4)」で紹介した方法(ボディを肉抜きして、メッシュやプラバンを貼る改造)を組み合わせれば、ボディの加工は自由自在。 自分だけのミニ四駆を、作ることができます。
シャーシによって、使うことができるボディは限られています。 でも、ボディ提灯を組み合わせれば、その制約も無くすことができます。 シャーシの垣根を超えたミニ四駆を、作り出すことができるでしょう。
レースの勝ち負けを考えれば、ボディはポリカーボネート製がベストです。 プラスチック製よりも軽いので、速さも安定性も高くなるからです。
でも、好きなボディで走らせた方が、やっぱりミニ四駆は楽しいです。 そしてそれが、あなた自身の上達にも、つながってゆくんですね。
ですので、お気に入りのボディは、積極的に加工してみましょう。 手間がかかる分、ミニ四駆への思い入れも、強くなること受け合いですよ☆ ビバ、ミニ四駆 \(^o^)/
以上、カウルを加工してみよう、でした(^-^)