ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!
ミニ四駆ステーション大会(3レーンでの店舗レース)用に、ダイナホークGX ブラックスペシャルを制作・改造してみました。
2017/6/5 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.18」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照
目次
- 1ダイナホークGX ブラックスペシャルの概要
- 2改造したダイナホークGX ブラックスペシャルの詳細
- 2.1改造その1:薄タイヤを作って取り付けてみた
- (1)改造アドバイス
- 2.2改造その2:FRPプレートを取り付けてみた
- (1)改造アドバイス
- 2.3改造その3:ボールベアリング式のガイドローラーを取り付けてみた
- (1)改造アドバイス
- 2.4改造その4:軸受けを620ボールベアリングに変更してみた
- (1)改造アドバイス
- 2.5改造その5:ターミナルをゴールドターミナルに変更してみた
- 2.6改造その6:プロペラシャフトを中空タイプに変更してみた
- 2.7改造その7:ギヤシャフトをフッ素コートに変更してみた
- (1)改造アドバイス
- 2.8改造その8:ギヤをカーボン強化タイプに変更してみた
- 3まとめ
ダイナホークGX ブラックスペシャルの概要
ダイナホークGX ブラックスペシャルは、ダイナホークGXの限定版のミニ四駆です。 先行発売された公式大会では、すぐに完売するほどの人気ぶりでした。
スーパーXXシャーシは、スーパーXシャーシの強化版で、直進性と安定性が高いのが特長です。 ホイールベース(前後のホイールシャフトの間隔)が全てのシャーシの中で最も長く(84mm)、左右の車輪の間隔も、他のシャーシより広いです(ホイールシャフトは72mmを使用)。
このため、長い直線でのスピードの伸びは抜群。 直線が多いコースで、有利なシャーシです。 ジャンプ着地時の安定性も高く、滅多に横転することがありません。 その高い安定性は、ジャパンカップ2012のグランドチャンピオンのミニ四駆が、スーパーXシャーシであることが証明しています。
改造したダイナホークGX ブラックスペシャルの詳細
これが、改造したダイナホークGX ブラックスペシャルです。 もともとのデザインを重視して、ボディカラーは変えずにシールを貼りました。
ダイナホークGX ブラックスペシャルのシールはメタリック調なので、光に当たると輝き出します。 漆黒のボディと相まって、かなりかっこ良いです☆
今回は、複雑な改造をしないで、誰でも作ることができるような、シンプルな改造を目指しました。
改造その1:薄タイヤを作って取り付けてみた
今回は、薄タイヤ作りに挑戦してみました。 薄タイヤは、「薄(うす)く加工したタイヤ」のことです。 別名「ペラタイヤ」とも呼ばれています(紙のようにペラペラしている薄いタイヤ、という意味です)。
薄タイヤの作り方は、
ヤスリの上にミニ四駆を乗せてタイヤを削る、
リューターという工具を使ってタイヤを削る、
旋盤加工をしてくれる人(業者)に依頼する、
などがあります。
具体的には、中径タイヤ(厚さ3mm)を、厚さ1mmぐらいになるまで削ります。 そのタイヤを大径ホイール(径は23mm〜25mm)にはめて、中径に近い(26mm前後の)車輪とするのです。 通常の組み合わせ(中径タイヤ+中径ホイール)に比べて、軽い上に跳ねにくくなるので、スピードが速くなって安定性も高くなります。
ただ、薄タイヤの加工は正確さが要求される、とても難しい改造です。 タイヤの厚みが少しでも異なると、走行時にミニ四駆が傾いてしまうため、安定性が下がってしまうからです。 しかも、1つのタイヤだけでなく、4つ全ての厚みを均一にしなければなりません。
このため、正確な薄タイヤを人の手で作るには、職人芸のような器用さが必要です。 実際、自分の手で加工した方々からは、
「薄タイヤは(均一に削って作るのが)難しい」
「タイヤを削っていると、モーターが火をふく」
「作るのに半日かかる。 2度とやりたくない」
という声が聞かれます。
そのかわり、正確に削って作られた薄タイヤの走行性能は、かなり高いみたいです。 大会では、薄タイヤが組み込まれたミニ四駆が、ジュニアクラス/オープンクラスを問わず、上位に入賞しているからです。
改造アドバイス
タイヤを加工するための、ワークマシン(改造作業用のミニ四駆、壊れかけ・古いシャーシでOK)を用意します。 もし、ワークマシンが用意できない場合、ダイナホークGX ブラックスペシャルのシャーシで構いません。 今回は、モーターとシャーシに負担をかけない改造方法だからです。
そして、次の2つを用意します。
マスキングテープを、中空タイヤの中央部分に巻き付けます。 タイヤを取り付けていないホイールを目印にすれば、正確な位置にマスキングテープを貼り付けることができます。
マスキングテープを貼り付けた中空タイヤを、ワークマシンにセットします。 スイッチを入れて車輪を回転させた状態で、マスキングテープの両端にカッターを当てて、切れ目を入れます。 両腕(手首とひじの間)を机やテーブルの端に乗せて、息を止めながら作業すれば、手先がブレずに、まっすぐな切れ目を入れることができます。
両端に切れ目を入れたら、中空タイヤをワークマシンから外して、マスキングテープをはがします。
中空タイヤをホイールから外して、切れ目に沿ってニッパーで切り取ります。 タミヤの「精密ニッパー」を使えば、簡単に切ることができます。 なるべく、切れ目より内側を切ってしまわないように、注意してください。 タイヤの幅を 8mm未満に切ってしまうと、レギュレーション(公式大会の規則)に違反するからです。
このようにして、4つの薄タイヤを作ります。 繰り返しになりますが、「中空ゴム 小径タイヤセット(ホイール付)」に入っているタイヤは2つなので、ミニ四駆1台分の薄タイヤを作るには2セット必要です。
加工したタイヤを計測してみます。 厚さは約 1mmで、幅は10mmです。
加工した薄タイヤをキット付属のホイールにそのまま入れると、次のような問題があります。 うすいので、ホイールの端の部分が飛び出してしまい、タイヤが接地してくれません。
対処方法は、次の3つです。
今回は、ホイール端の部分を切ることにします。 薄タイヤを2つ重ねなくても、1枚で接地するようになるからです。 加工は、ホイールを回しながら端の部分をカットして、最後に軽くヤスリをかけます。
キット付属のホイールに、うすい両面テープを貼って(タイヤを固定するため)、加工したタイヤをはめて計測。 径は約25mmです。
車輪の重さは 8.4g。 通常の中径サイズの組み合わせ(中径タイヤ+中径ホイール)は約 12gなので、およそ3分の2の重さです。
次の写真は、中空タイヤの説明書です。 もともと、このパーツの役割は、ジャンプ着地時の衝撃を吸収することです。 マスダンパーを取り付けなくても、そう簡単にはミニ四駆が跳ねなくなるんですね。
以前、
「薄タイヤを簡単に作る方法を、考案してほしい」
というリクエストがあったので、
「均一にうすく削るのが難しいのなら、最初からうすいタイヤを使えば良いのでは?」
と考えて、中空タイヤとマスキングテープを用いる改造を考案しました。 この方法なら、パーツと道具さえあれば、薄タイヤを手軽に作ることができます。
改造その2:FRPプレートを取り付けてみた
シャーシの前、横(左右)、後の4箇所に、それぞれFRPプレートを取り付けました。 ガイドローラーの取り付け幅を広げたり、マスダンパーを取り付けたりすることが可能になります。
前は、キット付属のノーズガードの下側に、「FRPマルチ補強プレート」を取り付けました。 頑丈になるので、高速でコーナーの壁にぶつかっても、簡単には曲がらなくなります。
FRPプレートの下側に、黒のブレーキスポンジを貼って、「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」で隠しました。 前の地上高が下がるので、後部に取り付けたブレーキの効きを強くすることができます。
> ブレーキの詳細は、「ブレーキについて」「ブレーキセッティングをマスターしよう!」を参照。
横には、「ARシャーシ サイドマスダンパーセット」に付属のFRPプレートを取り付けました。 これでマスダンパーを、手軽に取り付けることが可能になります。
シャーシとFRPプレートの間に 3mmスペーサーを入れています。 マスダンパーを取り付けた際、重心が下がるので、安定性を高めることができます。 赤のスタビキャップは、「ボールスタビキャップ(ブライト)」に入っています。
後には「カーボン強化リヤダブルローラー(3点固定タイプ)」と「スーパーXシャーシ・FRPリヤローラーステー」を取り付けました。 ガイドローラーのビスを補強するため、上側に「FRPマルチ補強プレート」を取り付けています。
「FRPマルチ補強プレート(ショート)」で、ブレーキを延長。 これで、ブレーキの効きを、強くすることができます。 ブレーキは、「ARシャーシ ブレーキセット」です。 長いビスで固定して、マスダンパーを取り付け可能にしています。
初期状態はブレーキ無効にするため、「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」で隠しています。 完走が難しいコースの場合、テープを外してブレーキを有効にします。 グレーのスタビキャップは、「ボールスタビキャップ(モノクロ)」に入っています。
マスダンパーをフル装備すると、次のようになります。 取り付ける箇所や重さを、コースにあわせて柔軟に調整することができます。
ちなみに、「ARシャーシ サイドマスダンパーセット」に付属のマスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)は、通常タイプよりも性能が高いです。
次の写真を見比べてみてください。 左側は通常タイプで、右側はマスダンパー(シリンダー)です。 通常タイプよりもマスダンパー(シリンダー)の方が、下側にセットされているのが分かります。
マスダンパーにあけられた穴が、その秘密です。 ナットが入る大きさの穴があけられているので、取り付け位置が下がるわけです。 このため、重心が下がって、安定性が高くなります。 また、上下に動く範囲も広がるので、マスダンパーの効果も高くなります。
マスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)は、限定版の黒いバージョンが発売されています。 お好みで、こちらを使うのも良いでしょう。
マスダンパー(シリンダー)とマスダンパー(ボウル)同士を接着剤でくっつければ、マスダンパー(ヘビー)よりも上下する範囲が広くなるという、スペシャルなマスダンパーになります。
逆に、接着剤でくっつけないで、1箇所に重ねて取り付けた場合、あまり効果は高くなりません。 重さ・上下する範囲が同じであっても、わずかなタイムラグで個別に働いてしまうために、マスダンパーの効果が分散してしまうからです。
改造アドバイス
ノーズガードを取り付けるネジ穴に、トラスビスを入れます。 その後、トラスビスを外して、ノーズガードを取り付けます。 手間がかかりますが、パーツの取り付け作業が、楽でかつ正確になります。
また、ノーズガードとFRPプレートの間には、大ワッシャーを1枚挟みます。 こうすれば、シャーシとFRPプレートが接触しなくなるので、がっちり取り付けることができます。
サイドバンパーの裏側から、ネジ穴の入り口付近を、太さ 2mmのピンバイスで削ります(ほんの少しです)。 こうすれば、ビスが入れやすくなります。
こちらも、いきなりFRPプレートを取り付けないで、トラスビスを入れておきましょう。 このように、ていねいに作業すれば、ビスを斜めにねじ込んでしまって、シャーシのネジ穴に変なクセがつくトラブルを、防ぐことができます。
「カーボン強化リヤダブルローラー(3点固定タイプ)」のパーツに、ニッパーで切れ目を入れます。 その後、「カッターのこ II」を切れ目に当てて、ゴリゴリ切ってゆきます。 カットする場合、ピンバイスで穴を何個かあけてニッパーで切る、という方法もありますが、カッターノコを使った方が楽です。
カッターノコは、あまり力を入れずに動かした方が、スムーズに切ることができます。 カットが終わったら、ヤスリをかけて、きれいにしておきましょう。
加工前後のカーボン強化リヤステーです。 だいぶ、さっぱりとなりました☆ このパーツをシャーシにはめた後、「スーパーXシャーシ・FRPリヤローラーステー」を取り付けます。
ブレーキは、前の部分を少しカットします。 無加工のままだとFRPプレートと接触してしまうため、ブレーキの取り付けができないからです。
ブレーキに、「FRPマルチ補強プレート(ショート)」を取り付けます。 この時点では、ビスを最後まで締めないでおきます(FRPプレート同士を接合する方が先)。
FRPプレート同士を、ビスとロックナットで接合します。 その後、ブレーキとFRPプレートのビスを、最後まで締めます。
ちなみに、通常のロックナットは重いので、FRPプレートの下側に取り付けましょう。 わずかですが、ミニ四駆の重心を下げることができます。 重心が低いほど、ミニ四駆の安定性は高くなるのですね。
マスダンパー(ボウル、シリンダー)の改造についても、触れておきます。
一方のマスダンパーを両ネジシャフトの棒の部分に入れて、「タミヤ瞬間接着剤(ゼリータイプ)」をつけます(写真左側より多く、つけないよう注意)。 その後、もう一方のマスダンパーを入れて、くっつけます。 くっつけたら、軽く上下させてください。 接着剤がはみ出して、両ネジシャフトとくっついてしまうケースがあるからです。
1分ほど経過したら、今度は「タミヤ瞬間接着剤《高強度タイプ》」を、マスダンパーの接合部分に、流し込むようにつけてゆきます(こちらも、つけ過ぎないように注意です)。 ぐるりと1周つけたら、乾燥するまでの間、パーツケースの仕切りに乗せて、つるしておきましょう。
改造その3:ボールベアリング式のガイドローラーを取り付けてみた
軸受け部分が、ボールベアリング式のガイドローラーを、取り付けました。 前は「軽量2段アルミローラーセット(13-12mm)(レッド)」、後は「19mmプラリング付アルミベアリングローラー(5本スポーク)(レッド)」です。
前の2段ガイドローラーは、1段のタイプに比べて、重くなる代わりに、安定性が抜群に高くなります。 後のガイドローラーも、接地面積が広いので、プラスチック製の中では安定性が高いです。 この組み合わせは、安定性重視のセッティングなんですね。
ガイドローラーの取り付けには、通常のビスではなく、キャップスクリュー(前は25mm、後は30mm)を使っています。 パーツは、「2mm キャップスクリューセット(25mm・30mm)」です。 ミニ四駆はスピードが速くなると、通常のビスではすぐに曲がってしまうので、頑丈なキャップスクリューをお勧めします。
> キャップスクリューの詳細は、「キャップスクリューを使ってみよう!」を参照。
ちなみに、ガイドローラーは色々な種類があって、性能も様々です。 詳細は、次の記事を参照してください。
> ガイドローラーについて
改造アドバイス
ガイドローラーは、説明書に従って、ベアリングローラー用スペーサーで挟みます。 ベアリングローラー用スペーサーには、向きがあります。
丸い方ではなく、小さな突起がある方を内側にして、ガイドローラーを挟みます。 向きを間違うと、ガイドローラーが正常に働かなくなったり、ボールベアリングの内部にゴミが入りやすくなったりする(性能が下がる)ので、注意してください。
2段ガイドローラーの取り付け方は、ちょっと複雑です。 ガイドローラーの内部に 5mmスペーサー1つと、520ボールベアリングを2つ入れてから、ベアリング用スペーサーで挟みます。
説明書には、パーツの役割や取り付け方法が、詳しく書いてあります。 ですので、説明書は、慣れるまで捨てずに、取って置くと良いですよ☆
ガイドローラーを止める際は、FRPプレートとの間に、大ワッシャーを挟むようにしてください。 コーナーを曲がる時の衝撃を和らげることができるので、パーツが壊れにくくなるからです。 詳細については、次の記事を参照してください。
> 「小部品について」
ガイドローラーの高さは、スペーサーを活用して調節しましょう。 スペーサーは何種類かあるので、「ミニ四パーツケース」で、同じ長さ(種類)ごとに分けておくと良いですよ☆
改造その4:軸受けを620ボールベアリングに変更してみた
ホイールシャフトの軸受けを、620ボールベアリングに変更しました。 さらに、ホイールとの摩擦を軽減するため、ベアリング用スペーサーを挟んでいます。 これによって、ミニ四駆のスピードが、大幅にアップします。
620ボールベアリングは、3種類の軸受けボールベアリング中、最も優れたパーツです。 スピードだけなら「丸穴ボールベアリング4個セット」も速いのですが、620ボールベアリングの方が、ホイールシャフトのブレが少ないです。 このため、スピードが速くなるだけでなく、安定性も高くなるんですね。
620ボールベアリングは人気商品の1つなので、大きなお店でも品切れがちです。 公式大会の販売コーナーでは、普通に売られていることが多いので、なかなか手に入らない場合は、会場に足を運んでみましょう。
ホイールシャフトは、「72mmブラック強化シャフト(4本)」にしています。 通常のホイールシャフトより2倍も頑丈なので、そう簡単には曲がりません。
速いミニ四駆ほど、コースアウトした時、ホイールシャフトが曲がりやすくなります。 「ハイパーダッシュ2モーター」や「ハイパーダッシュモーターPRO」などの高速モーターを搭載してコースアウトした場合、通常のホイールシャフトや中空シャフトだと、すぐに曲がってしまいます。 ですので、普段コースで練習走行する場合は、ブラック強化シャフトがお勧めです。
ちなみに、スーパーXXシャーシでホイールを貫通させる場合、「ステアリングシステムセット(VS・TZ・TZ—Xシャーシ用)」に付属のホイールシャフト(長さは84mm)が必要です。
改造アドバイス
ホイールシャフトを入れる時は、ハンマーで打ち込むと楽です。 通常のハンマーでも構わないですが、「マイクロハンマー(交換ヘッド4タイプ付き)」をお勧めします。 ちょうど良い大きさなので、作業しやすいからです。
シャーシとホイールのすき間は 1mm以内にしましょう。 できれば、ワッシャー1枚分( 0.4mm)ぐらいがベストです。 車輪の左右のブレが減るので、安定性が高くなるからです。
逆に、このすき間がないと抵抗になるので、ミニ四駆のスピードが大幅にダウンしてしまいます。 モーターが速くて電池も新しいのにスピードが遅い場合、シャーシとホイールのすき間があるかチェックしてみてください。
改造その5:ターミナルをゴールドターミナルに変更してみた
キット付属のターミナルを、「スーパーXシャーシ・ゴールドターミナル」に変更しました。
キット付属のターミナルは銅製なので、酸化(空気中の酸素と融合)しやすく、すぐに性能が下がってしまいます。 ゴールドターミナルは金メッキのおかげで、性能が劣化しにくく、ミニ四駆のスピードもアップします。 一石二鳥なパーツなんですね。
シャーシによって、取り付け可能なゴールドターミナルは違います(他のパーツよりも、細かく分かれています)。 どのゴールドターミナルが、どのシャーシに取り付け可能かは、「製品パーツカタログ – ④ターミナル(電池金具)」を参照してください。
余談ですが、「ターミナルは、キット付属の方が優れている」という意見があります。 理由は、「金メッキよりも銅の方が、電気を通しやすいから」なのだそうです。
でも、重要なのは、
「金メッキと、銅のどちらが、電気を通しやすいか」
ではなく、
「ゴールドターミナルと、キット付属のターミナルのどちらが、スピードアップするか」
のはずですよね? そして結果は、以前の記事「【検証】ターミナル(電池金具)」のとおりです。
ただ、「ピカールや研磨布などで、ターミナルをピカピカに磨けば、性能がアップする。 ただし、こまめなメンテナンスは必要(キット付属のターミナルは、すぐに酸化して性能が落ちるため)」という情報が寄せられています。 もしかすると、日々磨いていれば、性能が逆転するのかもしれません。 興味がある方は、挑戦&検証してみると良いと思います。
私は、ゴールドターミナルを愛用しています。 キット付属のターミナルをまめに磨くよりも、ミニ四駆を組み立てたり、改造したり、走らせたりする方に、時間を使いたいからです(きっと、その方が楽しいです)。
それに、キット付属のターミナルをまめに磨いていると、その分時間が奪われてしまうので、ミニ四駆の上達スピードが遅くなってしまう気がします(以前、「メンテナンスをマスターしよう!」で紹介したメンテナンスは別で、必要不可欠な作業です)。
改造その6:プロペラシャフトを中空タイプに変更してみた
キット付属のプロペラシャフトを、「スーパーXシャーシ・中空軽量プロペラシャフト」に変更しました。
中空シャフトは、ストローのような空洞になっているシャフトです。 キット付属のプロペラシャフトに比べて軽いので、ミニ四駆のスピードがアップします。
改造その7:ギヤシャフトをフッ素コートに変更してみた
キット付属のギヤシャフトを、「フッソコートギヤシャフト(ツバ付2本)」に変更しました。 キット付属のギヤシャフトに比べて摩擦が少ないので、ミニ四駆のスピードがアップします。
カウンターギヤの内部には、ARシャーシのキット付属の軸受け部品と、ベアリング用スペーサーを入れています。
改造アドバイス
まずは、フッ素コートギヤシャフトをカウンターギヤ(水色のパーツ)に入れます。 次に、ARシャーシのキット付属の軸受け部品(赤色のパーツ)を置いて、カウンターギヤを上からかぶせるように入れます。
「ピンセットペンチ」を使って、奥まで押し込みます。 最後に、ベアリング用スペーサーを入れて完成です。
軸受けパーツの取り付けは、ていねいに行いましょう。 取り付けに失敗して斜めに入ると抵抗になるので、逆にスピードダウンしてしまうからです。 カウンターギヤが滑らかに回転するか、シャーシにセットする前にチェックしてみましょう。
改造その8:ギヤをカーボン強化タイプに変更してみた
ピニオンギヤとクラウンギヤを、カーボン強化タイプに変更しました。 パーツは、「カーボン強化ギヤ G13・8Tピニオンセット」です。
カーボン強化タイプは、通常タイプよりも頑丈なので、ギヤの刃が欠けにくいです。 また、キット付属のギヤよりも接触が滑らかなので、ミニ四駆のスピードアップが期待できます。
※2/14追記
ただし、レギュレーション(公式大会の規則)では、「スーパーXXシャーシには橙色のクラウンギヤのみ使用可能」と決まっているので、この改造(スーパーXXシャーシに黒のクラウンギヤの使用)は違反となります(黒のピニオンギヤは使用可能です)。
レギュレーションで定められているギヤの組み合わせについては、次のタミヤのホームページを見れば分かります。
- 【ミニ四駆グレードアップパーツマッチングリスト(ギヤ比)】
- URL:http://www.tamiya.com/japan/mini4wd/regulation_gear.html
最後に、ボディの両端は、少しだけカットすることをお勧めします。 無加工のままだと、両端がシャーシ(サイドバンパー付近)に当たってしまうために、ボディが少しセットしづらいからです。
これは、ダイナホークGXが、もともとスーパーXシャーシのミニ四駆だからです。 スーパーXシャーシのサイドバンパーは、スーパーXXシャーシよりも小さいのですね。 気にならない場合、この改造は不要ですが、しておいて損はありません。
まとめ
今回の改造をまとめると、次のようになります。
- ①薄タイヤを作って取り付けた ※スピードアップ↑、安定性アップ↑
- ②FRPプレートを取り付けた ※安定性アップ↑
- ③ボールベアリング式のガイドローラーを取り付けた ※スピードアップ↑
- ④軸受けを620ボールベアリングに変更した ※スピードアップ↑、安定性アップ↑
- ⑤ターミナルをゴールドターミナルに変更した ※スピードアップ↑
- ⑥プロペラシャフトを中空タイプに変更した ※ 〃
- ⑦ギヤシャフトをフッ素コートに変更した ※ 〃
- ⑧ギヤをカーボン強化タイプに変更した ※ 〃
重量は、電池無しで102.7gです。 今まで紹介したミニ四駆の中で、最も軽い仕上がりになりました。
このミニ四駆で、グッピー越谷レイクタウン店のコースを走らせてみました。
せっかくなので、以前「エアロアバンテ レッドスペシャル(ARシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!」で紹介した、エアロアバンテ レッドスペシャルと対決させてみました。
どちらも、「アトミックチューンモーター」でタイムを計測。
3周ずつ走らせたところ、次の結果になりました。
走行順 | ミニ四駆 | タイム |
---|---|---|
1走目 | エアロアバンテ レッドスペシャル (ARシャーシ) |
20秒75 |
2走目 | ダイナホークGX ブラックスペシャル (スーパーXXシャーシ) |
19秒95 |
同じ電池を使って、
「エアロアバンテ レッドスペシャル」
「ダイナホークGX ブラックスペシャル」
の順で走らせたにもかかわらず、ダイナホークGXの方が、タイムが速いという結果になりました。
エアロアバンテ レッドスペシャルは、グリップ力が低いスーパーハードローハイトタイヤなので、スタートダッシュが遅めです。 ただ、1度スピードに乗れば、コーナーを滑るように走ってくれます。
一方、ダイナホークGX ブラックスペシャルは、スタートダッシュが速いです。 きっと、中空タイヤのグリップ力が、スーパーハードローハイトタイヤよりも高いからなのでしょう。 車輪は、径が25mmで軽いので、加速力も抜群です。 スーパーXXシャーシはコーナーが弱い(他のシャーシよりも減速しやすい)のですが、ほとんど減速しませんでした。
次は、タミヤプラモデルファクトリー新橋店のコースを走らせてみました。
どちらも、「アトミックチューンモーター」でタイムを計測。 5周ずつ走らせたタイムが、次の写真です。
今度は、練習走行用の「ハイパーダッシュ2モーター」でタイムを計測。 5周ずつ走らせたタイムが、次の写真です。
ダイナホークGX ブラックスペシャルは、途中で2度もコースアウトしてしまったので、後ろに「アジャスト マスダンパー(2.5g×6個)」を2個取り付けました。 ミニ四駆はスピードが速くなると、後部が重い方が、ジャンプの着地が安定するんですね。
走行順 | ミニ四駆 | モーター | タイム |
---|---|---|---|
1走目 | エアロアバンテ レッドスペシャル (ARシャーシ) |
アトミックチューンモーター | 24秒18 |
2走目 | ダイナホークGX ブラックスペシャル (スーパーXXシャーシ) |
同上 | 23秒08 |
3走目 | エアロアバンテ レッドスペシャル (ARシャーシ) |
ハイパーダッシュ2モーター | 21秒16 |
4走目 | ダイナホークGX ブラックスペシャル (スーパーXXシャーシ) |
同上 | 20秒32 |
スピードは、薄タイヤを組み込んだダイナホークGX ブラックスペシャルの勝ち、
安定性は、マスダンパーなしで完走したエアロアバンテ レッドスペシャルの勝ち、
という結果になりました。
2度に渡る試走の後、ダイナホークGX ブラックスペシャルのホイールが、ほんの少し( 0.5mmほど)抜けていました。 走行中にホイールが外れると、コースアウトするだけでなく、軸受け部品が無くなってしまうこともあります。 ですので、
[改造その4]のベアリング用スペーサーを外す、
84mmのホイールシャフトで貫通させる、
のどちらかをした方が、良いかもしれません(どちらも、シャフトがホイールに深く入るので、抜けにくくなる)。
スーパーXXシャーシは、他のシャーシと同じように制作すると、コーナーで減速しやすいです。 ワンウェイホイールの効果が、1番実感できるシャーシなんですね。
> ワンウェイホイールについては「タイヤとホイールについて」を参照。
でも、中空タイヤで作った薄タイヤは、ほど良いグリップ力みたいで、どちらのコースでも、コーナーで大きな減速は見られませんでした(安定性も高い)。 薄タイヤって、すごいです。 採用されているミニ四駆が、大会で上位になる理由が、分かる気がしました。 ビバ、薄タイヤなのです\(^o^)/
今回紹介した薄タイヤは、どのシャーシでも組み込むことができます。 もし気になったら、あなたのお気に入りのミニ四駆に、ぜひ組み込んでみてください!
以上、ダイナホークGX ブラックスペシャル(スーパーXXシャーシ)の改造でした(^-^)