ミニ四駆ジュニアカップ・トレッサ横浜杯2013[秋]大会レポート
ミニ四駆ジュニアカップ・トレッサ横浜杯2013[秋]のレポートです。 寒気を吹き飛ばす熱気の中、ハイスピードなレースが展開されました。
2017/6/6 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.9」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照
目次
ミニ四駆ジュニアカップ、再び!
今年の7月、神奈川と東京で2度に渡って行われたミニ四駆ジュニアカップが、11月30日に再び開催されました(以前の大会の模様は、次の記事を参照)。
> 2013ミニ四駆ジュニアカップ神奈川大会レポート
> 2013ミニ四駆ジュニアカップ東京大会レポート
雨天の場合、次の日に延期されてしまうのですが、当日の天気はご覧の通り。 絶好のミニ四駆日和になりそうです☆
今回のイベント場所は、神奈川県のトレッサ横浜です。 買い物が楽しめるグッズ店や洋服店を始め、飲食店、映画館など、様々なお店が立ち並ぶ総合施設です。 朝10時前ですが、自動車がひっきりなしに入ってゆきます。
トレッサ横浜は、北楝と南楝の、2つの建物に分かれています。 イベント会場は南楝の一画で、タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店があるのもこちらです。 9時半開場なのですが、正面入り口は10時にならないと開きません。 そこで、エレベーターを使って、2F通路から入ります。
イベント会場を発見! すでにコースが設置されて、ピットスペースもだいぶ埋まっている様子です。
イベント会場に設置されている大型ディスプレイには、ジャパンカップ2013の様子が映し出されていました。 今年のジャパンカップは、全国15会場で開催(うち1回は台風で中止)。 熱心に参加したレーサーほど、眺めると胸が熱くなるのでは、ないでしょうか。
今回のコースは、「ハイパーシャークサーキット2013」です。 緩急のある2組のコーナーが、凶暴なサメの歯を連想させるコースです。
11月のミニ四駆グランプリと同様、クリヤーループレーンチェンジャーはありますが、猛威を振るった、あの「きまぐれウオッュボード」が見当たりません。 これは、かなりのハイスピードレースになりそうです。
受付の入り口には、車検箱があります。 早速ミニ四駆を入れて、サイズ確認をする子供たちがいます。
この車検箱って、分かりやすくて良いですよね。 シンプル・イズ・ベストなのです☆
会場のすぐとなりには、タミヤプラモデルファクトリートレッサ横浜店があります。 入り口のショーウインドウの中には、ミニ四駆を始め、様々な模型が飾られています。
店内での、先行・限定販売の様子です。 キラキラ光るメッキボディのミニ四駆に、感嘆の声をあげる家族連れのお客さんがいました。
大会本番前の、練習走行が始まりました。 時間になるまで、何度でも走らせることが可能です。 持ってきたミニ四駆を調整するため、レーサーが次々と並んでは、走らせていました。
安全運転で走るミニ四駆もあれば、思いっきりかっ飛ばしているミニ四駆もありました。 中には、豪快にコースアウトするミニ四駆も。。。 大会本番前に、壊さないよう気をつけたいですね。
「僕(私)のミニ四駆、一体どんなふうに、走ってくれるんだろう」
「あのミニ四駆、速いな。。。」
練習にもかかわらず、子供たちは熱心に走らせたり、ライバルのミニ四駆に鋭い視線をおくったりしていました。
恒例の、大会前の説明です。 新しくミニ四駆を始める人が増えている現在、無くてはならないものです。 今回も、丁寧な説明が、なされていました。
大会開始直前の様子。 すでに、ピットスペースはいっぱいです。 もうすぐ大会が始まるので、みんな真剣な表情です。 これからどんなレースが繰り広げられるのか。 伝わってくる熱気とともに、こちらのテンションも急上昇。 うーん、楽しみなのです(≧∇≦)
そして、実況解説を務める、くまがいゆうきさん(旗の間左側、黒い服装の男性)と、司会進行を務める、声優のさくらいなるさん(旗の間右側、白い服装の女性)が登場。 いよいよ、ミニ四駆ジュニアカップの始まりです!
サーキットを駆け巡るミニ四駆・熱戦を繰り広げるレーサー達
今回の大会は、定員300人で、1次予選と2次予選が、午前と午後に1回ずつ行われます。 最低でも、2回レースに参加できるわけです。
最初は3人ずつでスタート。 レーサーの手を離れたミニ四駆は、長い直線を、猛スピードで一気に走り続けます。 ミニ四駆のスピード性能の差が、最も現れるセクションです。
長い直線のすぐ後には、90度の急カーブが待ち受けます。 速いミニ四駆ほど、コースアウトの危険性が高い場所です。 スピードに乗って、ここで飛び出してしまうミニ四駆が、何台も見受けられました。
次は、直線からの緩やかなカーブです。 一旦減速したミニ四駆は、1枚目の歯にあたるこのセクションで、再び加速してゆきます。
さらに、90度の右カーブと、180度の左カーブが続きます。 ミニ四駆が左右に激しくゆさぶられるセクションで、高い安定性が求められます。 ここでも、コースアウトするミニ四駆が続出しました。
無事、左右の連続カーブを走り抜けると、2枚目の歯に向かってグングン加速してゆきます。 1番内側(5レーン目)を走るミニ四駆は、クリヤーループチェンジャーに突入。 前後の地上高が低すぎると、ループ内の床にバンパーが接触、走り抜けることができず、リタイア(失格)となってしまいます。
2枚目の歯の先端には、180度のデジタルカーブ&ウェーブセクションVer.2が待ち受けます。 カクカクしたコーナーは、ミニ四駆をさらに激しく揺さぶって減速させる上、コースアウトを誘発します。 前述の連続カーブを突破できても、ここでコースアウトしてしまうミニ四駆が続出。 速いだけのミニ四駆では、走り抜けることが難しい、今回最大の難所です。
ラストは180度の左カーブと短い直線、そして90度の右カーブです。 ここまでの難所を突破したミニ四駆なら問題なく走破できますが、加速力とコーナー性能次第で、結構な差がついてしまうセクションです。
5周できれば、ゴールです! 1位で通過したレーサーには、喜びの表情が溢れます。 その反面、ゴールしても負けてしまったり、途中でコースアウトしてしまったりしたレーサーは、苦笑いや残念そうな表情を浮かべます。 でも、負けても午後があります。 ミニ四駆を調整して、レッツ、再チャレンジ!
1次予選を勝ち抜いて、2次予選出場のチケットを受け取るレーサー達。 午前の1次予選が終了したら、すぐに2次予選が始まるので、気を抜く暇はありません。
このままのセッティングでいくか、それとも次のレースに向けて再調整するか。 レースに勝ったレーサー達にも、決断が迫られます。
少しレースから離れてみます。
受付のすぐ横には、何種類ものチラシが無料配布されていました。 また、受付入り口の手前には、次の大会スケジュールが張り出されていました。 こうした情報は、逃さずチェックしておきたいですね。
落とし物箱の中身です。 ガイドローラーや軸受けボールベアリングが、多いですね。 大会が進むにつれて、これらの高価なパーツが増えてゆきました。
コース内の段差です。 こうして見てみると、結構高目に設定されていますよね。
再びレースに戻ります。
午前の1次レースを勝ち抜いたレーサー同士で、今度は2次予選が始まります。 1次予選を勝ち抜いただけあって、どのミニ四駆も速い速い。 それでも、時々コースアウトしてしまうミニ四駆もあります。
1度完走したからといって、次も完走できるとは限らない。 ミニ四駆の難しさを痛感させる1シーンです。
お昼休みを挟んで、引き続き、午後の1次予選が行われます。 参加できるのは、午前の1次予選と2次予選で負けてしまったレーサーです。
この日は、午後の1次予選が、予定よりも1回多く行われました。 参加者が定員に満たなかったため、受付の下三桁が特定の番号(3つ発表されました)のレーサーが、再びレースに出場できたのでした。
発表された番号に該当したレーサー達が、大喜びで受付に向かいます。 公式大会の特別なコースで、再びレースができる。 それだけで、とてもラッキーで嬉しいわけです。
そう言えば、ミニ四駆グランプリ2013東京大会(11/24)でも、同じ計らいがなされました。 タミヤのサービス精神溢れる采配に、感謝感謝なのです☆
続いて、午後の2次予選、そして、決勝レースが行われます。 ここまで来ると強者ぞろい。 どのレーサーも、堂々としています。
そして、厳しいレースを勝ち抜いた5人のレーサーで、ついに優勝決定戦です。
あ、すいません。 レース観戦に夢中で、優勝決定戦の模様を撮影するの、忘れてました(汗)
今大会で、表彰台に上がった3人のレーサー達です。 みんな、おめでとう!
余談ですが、以前、タミヤプラモデルファクトリー新橋店で、幸運にも、ジャパンカップ東京大会のジュニアクラスで入賞したレーサーと出会いました。 難しいコースにもかかわらず、大人顔負けの素晴らしい走りでした。 そう言えば、ジャパンカップ愛知大会のオープンクラス優勝者は、ジュニアクラスでも優勝を飾ったレーサーでしたね。
知力も財力も上回る大人が、子供に負けてしまうのは、正直、悔しいですよね。 でも、それでも、大人を越える次世代のレーサーがどんどん増えてゆけば、ミニ四駆がさらに白熱するのは間違いありません。
がんばれ、次世代のレーサー達!
実戦向きのミニ四駆が何台も出品された、コンクールデレガンス
午後のレースの合間には、コンクールデレガンスが開催されました。 テーブル上には、工夫を凝らして改造されたミニ四駆が、どんどん並べられてゆきます。
今回は、フレキシブル(*1)や井桁(*2)といった実戦向きなミニ四駆が、何台も出品されました。
*1:シャーシの中にバネを組み込んで、クッションの役目を果たすように改造したミニ四駆の総称。 改造は色々な方法が編み出され、たくさんの流派がある。
*2:井桁(いげた)と読む。 フラットコース専用に改造したミニ四駆の総称。 シャーシのバンパー部分をカットして、代わりにFRPやカーボンプレートを取り付けたり、車輪を超大径(32mm以上)に改造したりする。 「世界最小モータースポーツ最速改造理論」に、制作方法が詳しく掲載。
さらには、勢い余ってミニ四駆を出品してしまったパパさんも(ジュニアカップなので、こちらも中学生以下限定です)。
このパパさん、さくらいさんに、「まあ、(このミニ四駆は)参考ということで」と言われて苦笑い。
ただ、エントリー用紙には「大人からの出品」であることを書かれていたので、別に悪気があったわけではないんですね。 むしろ、テーブルの空きスペースを少しでも埋めて場を盛り上げるため、急遽、飛び入りでエントリーされたのかもしれません。 子供達の前で良いアピールができたみたいで、とても嬉しそうでした☆
子供たちの「欲しい!」エネルギーが押し寄せた、お楽しみ抽選会
お楽しみ抽選会では、当選番号が発表される前から、豪華賞品が並べられたテーブル周辺に子供たちが殺到しました。
そんな子供たちを前に、さくらいさんから「押さない押さない。 もう3歩(後ろに)、下がってくださいね」というセリフが飛び出す1コマも。
でも、目の前に、あれだけ豪華賞品が並べられると、やっぱり欲しいですよね〜。 私も欲しかったです(^-^)
大会を見学して、ミニ四駆に魅せられる人たち
会場は、絶えず人通りのある場所だったので、見学のために足を止める人が大勢いました。
「ねぇ、今日は(ミニ四駆を)持って来てないの?」と子供にせがまれて、「明日は大会、開かれるんですか?」と悔しそうに聞いてくるお父さん(いや、私、スタッフじゃないんですが)。 噴水の周りに腰掛けて、静かに見学しているおばあさん。
お母さんと一緒に見学に来て、ミニ四駆を始めようか迷っている子供もいれば、これからミニ四駆を始めるために、おじいさんと一緒に見学に来た子供もいました。 どちらの子供も、レースに参加したくて、うずうずしている様でした。
こうしたイベントって、単なるファンサービスだけではなく、大きな宣伝効果もあるんですね。 今回のイベントを通じて、新たなレーサーが続々と加わるかもしれません。 遊ぶ人が増えれば増えるほど、全体のレベルが上がるので、ミニ四駆が一段と盛り上がりますよね! ミニ四駆・ザ・ファイヤ〜(≧∇≦)
大会が終わっても、盛り上がりが続いたフリー走行
大会終了後は、年齢制限の無いフリー走行が行われました。 今までは見学だけだった大人も交じって、ワイワイ楽しくレースが繰り広げられました。 もちろん私も、参加しましたよ!
大会が終わって緊張が解けたのか、子供たちの表情もにこやかでした。 「もう、何回も走らせたから、電池(の中身が)ないよー」と言いながらも、何だかとても楽しそう。 終始、和やかな雰囲気でした。
データが欲しかったので、ミニ四駆にあえてマスダンパー(重り)を取り付けて臨みました。 ところが、4回のうち2回も、デジタルカーブで見事にコースアウト(>_<) 実際に走らせてみると、やっぱり厳しい。 スピードが乗った状態からのデジタルカーブって、かなり危険です。
最後(4回目)のフリー走行では、お互い自慢のミニ四駆を見せっこした子供と、熾烈なトップ争いをする展開に。 でも、ループレーンチェンジャーを抜けた私のミニ四駆は、最後の最後でリードを許してしまい、2位でゴール。 1位でゴールしたその子供は、「やったー! 勝った、勝った!」と、飛び上がって大喜び。 私も思わず「You Win!(あなたの勝ち)」と讃えてしまいました(笑)
余談ですが、以前、越谷レイクタウンのミニ四駆ステーションでも、同じような出来事がありました。
「ブラストアロー(MAシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!」で紹介したミニ四駆を持って行ったところ、同じくブラストアロ―を走らせている子供がいたんですね。 ところが、そのブラストアローは、搭載しているモーターの割にはスピードが遅めでした。 そこで、車輪を中心に、繰り返しセッティングをアドバイスしたところ、みるみる速くなってゆきました。
最初は「なんか、どんどん速くなっていくんですけど」と嬉しそうだったのが、最後には「僕と勝負だ!」と言うほどまでに(汗) 私も負けじと「なにおー、やるか〜(笑)」と言い返し、5番勝負の申し出を受けて立ったのですが、2勝2敗の激戦の末、最後はこちらがコースアウト負け。 「参りました m(_ _)m」と降参すると、恥ずかしそうに、でも、笑顔で帰ってゆきました。
大人に勝ったのですから、喜びも一段と大きいでしょう。 きっと、大きな自信にも、つながったはずです。 大人も子供も関係なく、同じ土俵で勝負ができる。 ミニ四駆って、本当に素晴らしいですね♩
太陽から祝福された、イベント会場
この日は、とても良い天候に恵まれました。
日差しが強かったため、途中から、スタートランプに屋根が取り付けられました。 レーサーにとっては、嬉しい配慮ですよね♩ これで少しは、ランプの光が見えやすくなったでしょうか?
でも、強い日差しのおかげで、午後のコースはライトアップされたように輝いていました。 太陽の光に照らされて、コースを走るミニ四駆も、より一層、映えていました。
また、会場内では、ところどころに、虹(にじ)が出ていました。 虹って、中にいると分からないんですよね。
きっと太陽が、そしてミニ四駆の神様も、このイベントを祝福してくれて、いたのでしょうね☆
大会運営を支えるスタッフの方たち
公式大会では、実況解説を務めるくまがいゆうきさんや、司会進行を務める声優のさくらいなるさんを始め、多くのスタッフがいます。
私たちレーサーが、レースに参加したり観戦したりしている間、チームワークを発揮しながら大会運営を支えているんですね。
ミニ四駆の大会を楽しむことができるのは、こうしたスタッフの方々のおかげです。 当たり前ですが、でも、だからこそ意識していないと、忘れてしまいがちになってしまいます。
ミニ四駆にアクシデントが発生しても、大きなトラブルに見舞われずにすむのは、スタッフの方々が懸命に対応しているからなんですね。
大会では、数多くのレースが繰り広げられます。 1つ1つのレースについて、不測の事態に対応し続けるのは、並大抵のことではありません。 私はミニ四駆が大好きですが、あの場であれほどの仕事ができるかどうか、正直分からないです。
「それが仕事」と言えばそれまでですが、スタッフの方たちにも感情があります。 これからも気持ち良く仕事をしてもらえるよう、私たちレーサーもできる限り協力(少なくとも迷惑をかけないように)してゆきたいものですね。 それが、ひいては公式大会を長く楽しめることに、つながってゆく気がします。
無事に全てが終了。 後片付けの様子です。 ↑は、表彰台の裏側です。
スタッフのみなさん、おつかれさまです☆ そして、本当に、どうもありがとうございました!