キャップスクリューを使ってみよう!
通常のビスよりも、固くて頼りになる「キャップスクリュー」について、解説します。
2017/6/6 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.3」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照
目次
通常のビスでは、高速のミニ四駆に耐えることができない
ミニ四駆の走行中、ガイドローラーを取り付けるビスが曲がってしまうことって、ありませんか?
それは、スピードが速い・重量が重いミニ四駆ほど、コースの壁から受ける衝撃が大きくなるからです。
ハイパーダッシュ2モーター以上の高速モーターだと、スピードが出やすい高速コースを走らせた場合、たとえコースアウトしなくても、受ける衝撃に耐えきれずにビスが曲がってしまいます。 スライドダンパー(内蔵バネでショック吸収するパーツ)でも、曲がってしまうことがあります。
コースの材質にも関係があります。 3レーンのコースは比較的柔らかいですが、5レーンのコースは非常に固いです。
コースの材質が固ければ、同じスピード・重量のミニ四駆でも、受けるダメージが大きくなります。 このため、3レーンのコースと同じ気持ちでセッティングしたミニ四駆を、ジャパンカップなどのタミヤの公式大会で走らせると、痛い目に遭ってしまいます(経験者です(>_<) )。
ジャパンカップ2013には8回参加(うち1回は台風で中止)したのですが、ハイパーダッシュ2モーターで5レーンのコースを走らせると、通常のビスではどうしても曲がってしまいます(アトミックチューンモーターでは大丈夫でした)。 3レーンのコースを走らせるだけでは、分からないことなんですね。
東京新橋のタミヤプラモデルファクトリーには、ジャパンカップと同じ5レーンのコースがあります。
コースの材質は、おそらく公式大会と同じでしょう。 とても固くて、ミニ四駆を速くすると、あっという間にビスが曲がってしまいます。 もし行く機会があったら、いい予行練習になるので、ぜひ走らせてみてください。
ビスの強化版「キャップスクリュー」
キャップスクリューは、ビスよりも固い特殊なネジです。 長さは2種類(25mm、30mm)。 とても頑丈で曲がりにくいので、ビスの代わりにガイドローラーの取り付けに使えば、高速でも安定したミニ四駆にすることができます。
キャップスクリューは、次のパーツに入っています。
- 15454:2mm キャップスクリューセット(25mm・30mm)
- 49350:AO-5014 2x25mmキャップスクリュー(2本・ナット付き)
- 94793:AO-1022 2x30mm ミニ四駆キャップスクリューセット
キャップスクリューの使い方
キャップスクリューの使用例を、紹介します。 まずは、前(フロントバンパー)です。
※写真をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
このように、前にガイドローラーを取り付ける場合、キャップスクリューは下から入れます。 バンパーへの負担を減らすために、最初にワッシャーを入れます。 長さは、25mmで十分です。 余った部分はスペーサーを入れて、ロックナット(もしくはナット+スプリングワッシャー)で締めて、ボールキャップを取り付けます。
次は、後(リヤバンパー)です。
※写真をクリックすると、新規ウインドウで拡大表示。
このように、後にガイドローラーを取り付ける場合、取り付ける部位に応じて上下の入れる方向を切り換えます(理由は後述)。 最後に、ロックナット(もしくはナット+スプリングワッシャー)で締めくくります。
キャップスクリューはビスと違って、ネジ穴にねじ込むネジ部分と、丸いバー部分に分かれています。
丸いバー部分を無理矢理ねじ込むと、ネジ穴がダメになってしまいます(0.5mm程度なら入れても大丈夫です)。 だから、取り付ける部位に応じて上下の入れる方向を切り換える必要があるんですね。 具体的には、丸いバー部分をスペーサーで埋めて、ネジ穴に入り込まないように調節します。
マスダンパーの取り付けにも、キャップスクリューを活用できる!
通常、マスダンパーの取り付けには、ビスを使用します。 頻繁にセッティング変更する場合、簡単だからです。
マスダンパーの取り付けにキャップスクリューを活用すると、手間はかかりますが、とても有効です。 マスダンパーの場合でも、ビスが曲がってしまうことがあるからです。 ビスが曲がった状態だと、マスダンパーは十分に機能してくれません。
もし、「ミニ四駆超速ガイド2013」を持っているなら、73ページをご覧ください。
> 「ミニ四駆超速ガイド2013」については、「「ミニ四駆超速ガイド2013」がすごい3つの理由」を参照。
そのページに掲載されている下側の写真[BACK]には、マスダンパー(ヘビー)の取り付けに使ったネジが、曲がってしまっていることが分かります。
キャップスクリューには丸いバー部分があるので、ビスと同じような取り付けはできません。
キャップスクリューでマスダンパーを取り付ける場合は、次の手順で行います。
これで完成です。
この方法は、取り付けるマスダンパー(の種類と重さ)を最初から決めている場合に、特に有効です。 セッティング変更の時間に余裕が無い場合は、冒頭のビス止め方式が良いでしょう。
まとめ
キャップスクリューとビスの違いを、次の表に示します。
名前 | 利点 | 欠点 | 備考 |
---|---|---|---|
ビス | 曲がりやすい | 値段が安い | |
キャップスクリュー | 曲がりにくい | 値段が高い | 専用の工具(六角レンチ)が必要 |
キャップスクリューは高価ですが、安価なビスを使って曲がるたびに交換するよりも、トータルで考えれば安く済むと感じます。
「たかがビスに、お金をかけたくない」
と思われる方も、いるかもしれません。 でも、そういう方にこそ、一度は使ってほしいと思います。
私もミニ四駆に復帰した当初は、ガイドローラーの取り付けにビスを使っていました。 走行途中、それまで調子が良かったのに、突然のコースアウト。 ミニ四駆をチェックしてみると、ビスが曲がってコーナーで支えきれなくなっていることが分かりました。
ビスが曲がれば、安定性が下がって、コースアウトしやすくなります。 コースアウトを繰り返すほど、ダメージが蓄積されてゆくので、ミニ四駆の寿命も短くなってしまうんですね。 ですので、ビスにもしっかり投資することをお勧めします。
以上、キャップスクリューを使ってみよう、でした(^-^)
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