スターティングをマスターしよう!

スタートシグナルその1

ミニ四駆をスタートさせる方法は、人それぞれ。 でも実は、ベストな方法が確立されています。 これを読んで、ばっちりマスターしましょう!


2017/6/6 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.9」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照

ミニ四駆を解き放つ、スターティング

スターティングは、コースでミニ四駆を走らせる時の、スタート方法(スイッチを入れた後のミニ四駆の離し方)です。

スタート直前の様子その1スタート直前の様子その2

タミヤが主催する公式大会(春のスプリンググランプリや夏のジャパンカップなど)では、ミニ四駆専用のスタートシグナルが採用されています。

スタートシグナルその1スタートシグナルその2

「スイッチ、オン!」
「シグナルに、注目!」

スタート係の方の声を聞いたら、ミニ四駆のスイッチを入れます。 そしてシグナルのランプの色が変わると同時に、ミニ四駆をスタートさせます。

スタート直後の様子その1

レースでは、ほんのわずかな差で勝敗が決まることもあります。 ですから、良いスタートができれば、それだけ勝負に勝てる可能性も増すんですね。

スターティングの種類

ミニ四駆をスタートさせる方法は、いくつかバリエーションがあります。 よく見かける方法について、説明します。

【スターティングの種類】
方法 説明 お勧め
スタート方法その1 ミニ四駆の後部を
手の内側を上に向けて持つ
ミニ四駆を、長時間安定させた状態で持つことができる。 進路も調整しやすい。
スタート方法その2 ミニ四駆の側面を持つ ミニ四駆を、長時間安定させた状態で持つことができる。 ただ、スタート直後、ミニ四駆が手にぶつからないよう注意が必要。
スタート方法その3 ミニ四駆の後部を
手の外側を上に向けて持つ
ミニ四駆を、やや安定させた状態で持つことができる。 ただし、進路調整がしにくいため、ミニ四駆のスタート方向がぶれやすい。
スタート方法その4 ミニ四駆の前後を持つ ミニ四駆を持つ状態が、不安定気味になる。 また、着地のバランスも悪くなってしまう。
スタート方法その5 ミニ四駆を上から押さえつける モーターとギヤを痛めてしまう。 走る前からミニ四駆に負担がかかるので、レースに勝ちたいなら絶対にやってはいけない。 ×

もし、「ミニ四駆超速ガイド2013」を持っているなら、72ページをご覧ください。
> 「ミニ四駆超速ガイド2013」については、「「ミニ四駆超速ガイド2013」がすごい3つの理由」を参照。

そのページに掲載されている写真[2]は、ジャパンカップ2012オープンクラスの決勝戦のスタート直前です。 優勝した盛厚太郎さんは、1番上のスターティングをしていることが分かります。

ベストスターティング解説

前項で「◎」のスターティングについて、「ミニ四駆の持ち方」「ミニ四駆の離し方」の2つに分けて、解説します。

ミニ四駆の持ち方

まずは、ミニ四駆の持ち方です。

横から見ると、次のようになります。

ミニ四駆の持ち方の説明その3

これが、ミニ四駆のベストな持ち方。 ミニ四駆を、長時間安定させた状態で持つことができる。 ミニ四駆を持つ手に余裕があるなら、下の指を、1本(人差し指のみ)か2本(人差し指、中指)に減らしても構わない。

このように、スタート直前は、ミニ四駆の後部を親指と人差し指などで軽く押さえて、タイヤがコース路面ギリギリになるように構えます。

ミニ四駆の離し方

次は、ミニ四駆の離し方です。 ポイントは、次の3つ。

  • ①スタートと同時にミニ四駆を離す
  • ②ミニ四駆を真っすぐに走らせる
  • ③4つのタイヤを同時に着地させる

①は、シグナルのランプの色が変化した(もしくはスタート音が鳴った)ら、すぐに手を離します。

スタートシグナルは、ランプの色が変化(赤→青、赤→緑)し、ほぼ同時にスタート音が鳴ります。 スタート時は、音よりも色を重視します。 スタート音が鳴るよりも、ランプの色が変わる方が、少しだけ早いからです。

スタートシグナルその1(ランプ赤)スタートシグナルその1(ランプ青)
スタートシグナルその2(ランプ赤)スタートシグナルその2(ランプ緑)

ただ、ミニ四駆の大会は、屋外で行われることもあります。 天気が良い場合、太陽の光でランプの色の変化が、分かりにくいことがあります。 その時は、スタート音を頼りにします。

スタートシグナル

会場がにぎやかでも、スタート音はちゃんと聞こえるので大丈夫。 ランプの色が見えない場合は、とにかく音に集中しましょう。 そしてシグナルのスタート音が聞こえたら、すぐに手を離すようにします。

この方法なら、持っている手の力を抜けば、ミニ四駆は自然に走り出します。

ベストスターティングで手を離した直後の様子

②は、ミニ四駆の方角を、真っすぐに向けます。 ミニ四駆の方角を斜めにすると、スタート早々、壁にぶつかってしまうので、最高速度に達するまでの時間が少し長くなるからです。

スターティングのポイントのイメージ

③は、ミニ四駆の着地のさせ方です。 ミニ四駆は四輪駆動なので、4つのタイヤを同時に着地させると、スタートダッシュが速くなります。

上記①②③のうち、①が最も重要です。 逆に言えば、①さえバッチリなら、②③はあまり気にしなくても大丈夫! モーターとガイドローラーの性能が高いからです。 もちろん、①②③全てできるのが理想ですが、スタート時は緊張するので、色々なことを同時にこなすのは難しいと思います。 まずは、①を完璧にしましょう!

ただし、フライング(シグナルの色が変わる前に、ミニ四駆をスタートさせてしまうこと)には気をつけてください。 フライングした場合、やり直しできますが、ミニ四駆が走った分電池を消費してしまうので、不利になってしまうからです。

スタート時の様子その1スタート時の様子その2

大会は、どうしても緊張してしまいがちになります。 でも、それはみんな一緒です。 スタート時は、あなたの隣のレーサーも、そのまた隣のレーサーも、緊張しているのです。

「スタートの時は、みんな緊張しているんだ」と思えば、多少、緊張が和らぐかも知れませんね☆ また、何度も出場しているうちに、次第に慣れてくることもあります。

手押しスタートは厳禁!

手押しスタートは、スタート時に、ミニ四駆を手で押して走らせることです。 公式大会でこれをやってしまうと、ルール違反で失格となります。

ミニ四駆ステーションなどのコースでは、手押しスタートを、よく見かけます。 「さあ、行けっ!」という気持ちでミニ四駆を走らせたいのは分かります。 分かりますが、普段から手押しスタートをやってしまうと体にクセがついてしまい、本番のレースで良いスタートをするのが難しくなってしまうかも知れません。 クラブ活動(特に、運動部)の経験者なら分かりますが、大会では、普段の練習以上の力を発揮することは、できないからです。

ですので、普段から公式大会を意識して、ミニ四駆をスタートさせることをお勧めします。

ARシャーシはスイッチを最後まで

ARシャーシの場合、スイッチが最後まで入っているか、注意が必要です。 ARシャーシは他のシャーシと違い、スイッチが途中でも、車輪が回転し始めます。 スイッチを最後まで入れずに走らせてしまうと、すぐに止まってしまうからです。

大会では、スタートしてすぐに止まってしまうミニ四駆を見かけます。 大抵は、スイッチを途中までしか入れていないことが原因です(もったいないですよね)。 ですので、ARシャーシで参加する場合、スイッチを最後まで入れるよう、意識してみてください。

他のレーサーへの気配りも忘れずに

公式大会のコースは、5レーンです。 ですので、5人全員がスタートしやすくなるよう、(特に1、2レーンに立ったら)他のレーサーにも配慮しましょう。 具体的には、レーンの左側に少し移動します。 特にオープンクラスは、参加者のほとんどが大人なので、気を遣いたいところです。

スタート時の様子その3スタート時の様子その4

良いスタートを切るだけでなく、一緒にスタートする他のレーサーにも気を配ることができたなら、あなたもスターティングの達人です☆

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