バンガードソニック(スーパーIIシャーシ)の改造に挑戦してみたよ!
ミニ四駆ステーション大会(3レーンでの店舗レース)用に、バンガードソニックを組み立て・改造してみました。
2017/6/5 この記事は「四輪駆動ラボラトリ vol.14」に収録されています。
> 詳細は「電子書籍」を参照
目次
バンガードソニックの概要
バンガードソニックは、ミニ四駆漫画「爆走兄弟レッツ&ゴー」の主人公の1人、星馬烈のマシンです。 「フルカウルミニ四駆」と呼ばれる系統のミニ四駆(車輪がボディに隠れるタイプのマシン)の1つで、タイヤを覆い隠すような迫力のあるボディ。 さすが主人公機だけあって、とてもかっこ良いです。
第2次ブームの頃はスーパー1シャーシに搭載されていましたが、その後、高性能なスーパーIIシャーシ(しかもカーボンファイバー配合)版で、再発売されました。 カーボンファイバーが配合されると、頑丈になるので壊れにくくなります。 その上、滑らかになって摩擦抵抗が減る感じがします。 至れり尽くせり、まさにプレミアムなのです☆
フルカウルミニ四駆シリーズ No.35 バンガードソニック プレミアム (カーボンスーパーⅡシャーシ)
スーパーIIシャーシは、小型ながらも頑丈で、拡張性も十分。 サイドバーを取り外しできたり、前輪のすぐ後ろにFRPプレートをネジ止めできたりします。 汎用性が高く、コースに合わせた柔軟なセッティングができるので、特に上級者に人気があります。
改造したバンガードソニックの詳細
これが、改造したバンガードソニックです。 ボディカラーは赤と白を基調として、原作のソニックの色合いをベースに、少しアレンジしてみました。
今回は、あまり手を加えずに、シンプルな改造を目指しました。 原作では、「ソニックはコーナーに強い」という設定があるので、その辺をちょこっと意識しています。
改造その1:ダンガンレーサーのホイールをスタビヘッドにしてみた
レギュレーション(公式大会の規則)では、ダンガンレーサーのパーツを使うことが認められています。
そこで、ダンガンレーサーの前輪(セットアップスキッドホイールセット(11・13・15mm))をスタビヘッドにしてみました。 前のローラーは3レーン向きの「13mmオールアルミベアリングローラー」にして、前輪は11mmのものを取り付けました。
ミニ四駆にも、11mmのスタビヘッドがありますが(大径スタビヘッドセット(11mm、15mm))、見比べるとダンガンレーサーの前輪の方が、安定性が期待できます。
ダンガンレーサーのホイールにも、ミニ四駆と同様、6mmのボールベアリングをセットできます。 そこで、キット付属の赤いスペーサーとハトメをはめて、ビス止めして固定しました。
フロントバンパーは「HG カーボンフロントステー(1.5mm)フルカウルミニ四駆タイプ」で補強しつつ、左右のローラー幅を広げました。 大変高価なグレードアップパーツですが、フルカウルミニ四駆のボディに当たらない上に、とても軽くて頑丈です。
下は「フロントアンダーガード」の代わりに、「2mm丸ビス用ハイトワッシャー(6個)」を取り付けています。
アンダーガードを取り付けると、ジャンプ台などのアップダウンでコース床にシャーシが直接当たるのを防止できるので、走行がスムーズになるだけでなく、ミニ四駆が長持ちします。 ただ、バンガードソニックは車輪が小径なので、極端に地上高が低くならないよう、この方法にしました。
前の地上高を下げ過ぎると、コース床から受ける衝撃が増大するので、シャーシの寿命が短くなります。 さらに、バーニングブリッジやヘルクライムのような急坂を登ることができなくなったり、芝セクションでミニ四駆が止まってしまったりします。 あまり良いことが無いんですね。
あくまでも目安ですが、フロントバンパーの地上高は、3mmぐらいがお勧めです。
改造その2:EXサイドステーとFRPプレートを取り付けてみた
横にマスダンパーを装着できるように、「AO-1028 ミニ四駆EXサイドステー」と「FRPマルチ補強プレート(ショート)」の赤色バージョンを取り付けました。
ビスは、前から2番目の穴に取り付けました。 1番前だと、ボディにマスダンパーが当たってしまうからです。 他のボディなら、もっと前に取り付け可能ですが、ここはちょっとガマンです。
ちなみに、マスダンパーの取り付け位置は「前輪のすぐ後ろが、最も安定する」と言われているので、なるべく前にビスを取り付けるのが理想です。
> 詳細は「ダンパーセッティングをマスターしよう!」を参照。
改造その3:後部にスライドダンパーを取り付けてみた
コーナー重視の設定を意識して、リヤバンパーはスライドダンパーにしてみました。 強度を上げるため、上側にFRPプレートを挟んでいます。
ガイドローラーは、「17mmプラリング付 アルミベアリングローラー」にしました。 径が17mmのプラローラーは、軽い上に接地面積が広いので、安定性も高め。 コーナーに強い、ソニックらしいパーツだと感じます。
スライドダンパーは、バネが内蔵されている特殊なバンパーです。 ミニ四駆がコーナーを走る際、ガイドローラーが壁に当たると、内側にスライドします。 そして、壁から受ける衝撃を吸収しつつ、ミニ四駆の進む方向を内向きに変えてくれます。 その結果、安定性を高めつつ、コーナーを素早く走り抜けることができるのです(ミニ四駆って、ハイテクですね〜)。
このスライドダンパーは、「リヤースライドダンパー・ブレーキセット」と「カーボン強化リヤダブルローラー(3点固定タイプ)」を組み合わせた自作パーツです。 リヤースライドダンパーはネジ1点止め方式なので、ハイパーダッシュ2モーターのような高速モーターには、耐えることができません。 でも、このようにすれば大丈夫です。
ジャパンカップ2013では、フロントとリヤのスライドダンパーが先行発売されています。 これらを購入すれば、スライドダンパーを自作する必要がありません。 しかも、19mmよりも小さなガイドローラーの幅を、広げることが可能です。 ミニ四駆の世界も、どんどん便利になってゆきますね☆
改造その4:ホイールにシャフトを貫通させてみた
ピンバイス(ドリル)でホイールに穴をあけて、シャフトを貫通させました。 こうすると、ホイールのブレがほとんど無くなります。 その結果、ミニ四駆のスピードと安定性がアップします。
ホイールシャフトは、スーパーX・XXシャーシ専用の「72mmブラック強化シャフト(4本)」を使用しています。 また、車輪はキット付属のホイールとタイヤを、そのまま活用しています。
ホイールに貫通させる際は、ハンマーでシャフトを打ち込みます。 ハンマーは小型の方が作業しやすいので、「マイクロハンマー(交換ヘッド4タイプ付き)」をお勧めします。
改造その5:ブレーキを色々と改造してみた
リヤバンパーの下にブレーキを取り付けて、さらに次のように改造してみました。
穴をあけてビスを貫通
ブレーキの両端から少し離れた箇所に、ピンバイス(ドリル)で穴をあけて、ビスを通しました。 こうすれば、後部にもマスダンパーを取り付けることができます。 次のように、FRPプレートをネジ止めしてから作業すれば、左右均等な位置に穴をあけることができます。
両端を少し切断
コーナーでスライドダンパーが機能すると、急カーブではブレーキが壁に当たってしまいます。 それを防ぐために、ブレーキの両端を少しだけ切断しました。
オーバルホームサーキット(内側のコーナー)を用いて、実際に確認してみました。 スライドダンパーが機能しても、ブレーキやマスダンパーが、コーナーの壁に当たらないことが分かります。
ブレーキスポンジにテープ貼り
ブレーキに「ミニ四駆マルチテープ(10mm幅 ブルー)」を貼り付けて、スポンジ部分を覆うことができるようにしました。 こうすると、ワンタッチでブレーキの有効・無効が切り替え可能になります(スイッチでON/OFFするイメージ)。
ブレーキのON/OFFは、次のように、別のテープで固定します(左がブレーキ無効、右がブレーキ有効)。 練習走行ではブレーキを無効にして、マスダンパーを駆使してもコースアウトする場合は有効にします。 ブレーキを効かせなくて済むなら、それに越したことはないからです。
最初は、単純にテープを貼ってブレーキ無効にしていたのですが、剥がすたびにブレーキスポンジがほんのり摩耗するのが気になったので、この方法に変えました。 大会では車検が通らない(地上高1mm以下に違反する)可能性があるので、取り外します。
改造その6:アルミモーターサポートを取り付けてみた
スーパーIIシャーシ専用のグレードアップパーツ「アルミモーターサポート」を取り付けました。 MSシャーシのクーリングシールドと同様、モーターの放熱性能(熱を逃がす効果)が上昇するので、速度維持が期待できます。
このパーツは、アトミックチューンモーターぐらいなら、長時間走行させない限り不要ですが、ハイパーダッシュ2モーターで走らせるなら、取り付けた方が良いでしょう。
改造その7:ワンロックギヤカバーに交換してみた
スーパーIIシャーシは、ギヤカバーがネジ止め方式になっています。 そのおかげで、走行中の衝撃でギヤカバーが外れるアクシデントは無くなるのですが、反面、モーターやギヤの交換に手間がかかってしまいます。
そこで、キット付属のギヤカバーを、スーパーIIシャーシ専用のグレードアップパーツ「強化ギヤ&ワンロックギヤカバー(スーパーIIシャーシ用)」に変更しました。
このように、ワンタッチでギヤカバーを外すことができるようになります。 大変便利なので、スーパーIIシャーシを使うなら、ぜひ交換してみてください!
まとめ
今回の改造をまとめると、次のようになります。
- ①ダンガンレーサーのホイールをスタビヘッドにした ※安定性アップ↑
- ②EXサイドステーとFRPプレートを取り付けた ※ 〃
- ③後部にスライドダンパーを取り付けた ※スピードアップ↑、安定性アップ↑
- ④ホイールにシャフトを貫通させた ※ 〃
- ⑤ブレーキを色々と改造した ※安定性アップ↑、メンテナンス性アップ↑
- ⑥アルミモーターサポートを取り付けた ※スピードアップ↑
- ⑦ワンロックギヤカバーに交換した ※メンテナンス性アップ↑
重量は、電池無しで122.2gです。 シンプルな改造を心がけたのですが、フルカウルミニ四駆はボディが重いので、どうしても重量が増えてしまいがちです。
このミニ四駆で、東京新橋にあるタミヤプラモデルファクトリーのコース(下の写真)を走らせてみました。 ライトダッシュモーターまでは何とか走りきることができるのですが、ハイパーダッシュ2モーターだと、時々コースアウトしてしまいます。
もっと走りを安定させるには、車輪を中径ローハイトにした方が良いのかも知れません。 他には、「マスダンパーを前2箇所にも取り付け可能にする」「ボディ自体をマスダンパーにする」という方法も考えられます。 店舗レースに出走させるには、もう少し改良する必要がありそうです。
フルカウルミニ四駆は、ボディ重量のためにスピード面で不利なので、ジャパンカップは厳しい感があります。 でも、速度より安定性が求められる小規模な店舗レースなら、改造次第で十分戦えるはずです。 せっかくここまで改造したので、もっと調整してみます。
以上、バンガードソニック(スーパーIIシャーシ)の改造でした(^-^)